いちばん効くのは、床です
フローリングは、犬にも猫にもすべります。若いうちは踏ん張れますが、年齢が進むと、すべることそのものが怖くなって動かなくなります。動かないと筋肉が落ち、さらに動けなくなる。この流れを止めるのが最初の一手です。
- 通り道にマットを敷く…部屋全体でなくて構いません。寝床・水・トイレ・玄関を結ぶ線だけで十分に変わります。
- タイルカーペット…汚れた1枚だけ洗える/替えられるので、粗相が増えてくる時期に向いています。
- 足の裏の毛を切る…肉球のあいだから毛がはみ出すと、その毛ですべります。ここは無料でできます。
- 爪を短く…伸びていると、肉球が床に着かず、さらにすべります。
段差を減らします
| 場所 | すること |
|---|---|
| ソファ・ベッド | 踏み台かスロープを置く。飛び降りるのが、腰にいちばん負担です |
| 玄関の上がりかまち | 一段を二段に分ける。箱でも構いません |
| トイレ(猫) | 入口の低い箱に替える。またげずに手前でしてしまうのを防げます |
| 階段 | 行き来させたくないなら柵を。落ちてからでは遅いです |
水とごはんの高さを上げます
床に置いた器に顔を下ろす姿勢は、首と前足に負担がかかります。器を10〜15cmほど持ち上げると、飲む量・食べる量が増えることがあります。専用の台がなくても、安定した箱の上に置くだけで違います。
- 水は、複数の場所に置きます。移動が減ってくると、遠い水は飲まなくなります。特に猫は、飲む量が減ると腎臓に負担がかかります。
- 食べにくそうなら、ぬるま湯でふやかす…においが立って食べやすくなります。歯や口が痛いときにも助けになります。
- 食べる量が落ちたとき…温める、器を替える、静かな場所に移す。それでも続くときは受診してください。
寝る場所と、室温
- 寝床はすきま風のない、静かな場所へ。人の通り道は落ち着けません。
- 体温の調節が下手になります。暖かい場所と、涼しい場所の両方を作って、自分で選べるようにしてください。
- 寝たきりに近づいたら、床ずれに気をつけます。厚みのあるマットにして、姿勢を変えられるようにします。
- 夜に鳴く・うろうろするようになったら、昼間に日の光を浴びる時間を作ると落ち着くことがあります。
散歩と遊びは、やめません
歩ける子は、短く・回数を分けて続けます。長い1回より、短い2回のほうが体にやさしく、気分も保てます。においを嗅ぐ時間そのものが刺激になるので、距離が短くても意味があります。
猫も、寝ている時間が増えても遊びをやめなくて構いません。床の上で、ゆっくり動くおもちゃに替えれば、飛ばなくても遊べます。
健康診断の回数を増やします
シニアに入ったら、年1回を年2回にするのが広く勧められている目安です。半年あれば、数値はかなり動きます。
- 血液検査で、腎臓・肝臓の働きが見えます。
- 体重は、家で月1回はかっておくと、受診時に「いつから減ったか」が伝えられます。
- 気になったことをメモしておく…水を飲む量、食欲、歩き方、鳴き方。診察室では思い出せません。
年齢に関係なく、すぐ相談してよい変化。水を飲む量が急に増えた/食欲が落ちた/体重が短期間で減った/呼吸が荒い/おしっこが出ない/歩き方が急に変わった。「歳のせい」に見える変化の中に、治療できる病気が混ざっています。迷ったら電話で聞くだけでも構いません。